検証状況
「ぶぶ漬けでもどうどす?」は本当に言われるのか
判定日 最終更新
用法を最も詳しく述べる資料の筆者が実使用を否定し、語彙資料は用法に触れていない。実使用を積極的に裏づける資料が現時点で存在しない。
訪問先でお茶漬けを勧められたら「帰れ」の合図である、という説明はよく知られています。このページでは、その説がどの資料で確認できるのかを調べた経過をそのまま公開します。確認できたことと、まだ確認できていないことを分けて示します。
検証している主張
京都では訪問先で「ぶぶ漬けでもどうどす?」と勧められたら、それは「そろそろ帰ってほしい」という意味である
検証の進み具合
全 5 項目のうち 3 項目を確認済み、2 項目が検証中です。
確認できたこと3件
出典に直接あたって内容を確認した項目です。
-
用法を紹介した資料の筆者自身が、実際に言われた例を聞いたことがないと明記している
京都市観光協会の記事は、訪問先でぶぶ漬けを勧められたら帰宅を促す合図だとする説明を紹介しています。ところが同じ記事のなかで、筆者は自身がその用法を実際に言われた例を聞いたことがない、と書いています。用法をもっとも詳しく述べている資料が、同時に実使用を否定しているという構図です。
-
語彙資料は「ぶぶづけ=お茶漬け」の語義のみを載せ、帰宅を促す用法に触れていない
京ことばの語彙を網羅的に集めた資料には「ブブヅケ お茶漬け」とだけあり、帰宅を促す用法についての記述はありません。語彙資料の側では、この語は単に食べ物の名前として扱われています。
-
メディアが面白おかしく紹介したことで負の印象が広まったとする指摘がある
京ことばの解説記事のなかに、テレビなどが京都人の特徴を面白おかしく紹介した結果、裏表があるという印象が広まった、と指摘しているものがあります。この説がどのように流通したかを考えるうえでの手がかりになります。
確認日
まだ確認できていないこと2件
二次情報では見かけるものの、まだ現物にあたれていない項目です。 確認できるまで、このサイトはこれらを根拠として使いません。
-
原話は1775年刊『一のもり』の一編「会津」で、京都という舞台設定を持たない
これが確認できれば、「京都特有の風習」という前提が原話の時点で成立しないことを示せる
- 確認する資料
- 武藤禎夫の落語考証(『定本落語三百題』岩波書店 2007 ほか)
- 確認の方法
- 図書館で現物を確認し、「京の茶漬け」の原話に関する記述と掲載ページを控える
- 現在の状態
- 現物未確認(二次情報で見つけた情報)
-
落語本文では、茶漬けは客が帰ろうとした後に勧められている(通説と順序が逆)
これが確認できれば、落語における茶漬けは「既に帰る意思を示した客への社交辞令」であって「帰れ」の合図ではない、と言える。通説は因果が逆ということになる
- 確認する資料
- 『米朝落語全集』(創元社)等の活字版「京の茶漬け」
- 確認の方法
- 図書館で活字版の本文を確認する。音源ではなく速記を優先する(聞き取りの正確さを自分で保証せずに済むため)
- 現在の状態
- 現物未確認(二次情報で見つけた情報)
この判定について
この判定は現時点の材料によるものです。検証中の項目が確認できた場合、判定が変わる可能性があります。判定を変えたときは、変更前の判定も日付つきで残します。
判定の基準は編集方針に、 参照している資料は出典一覧に公開しています。
誤りのご指摘や、確認手段のご提案をいただけると助かります。 検証中の項目が確認できしだい、このページを更新します。